電子処方箋と紙の処方箋の違いとは?仕組みや受け取り方を解説
電子処方箋と紙の処方箋には、どのような違いがあるのでしょうか。どちらも医師や歯科医師が発行する処方箋ですが、情報の管理方法や薬局での受付手続きが異なります。
電子処方箋では処方箋の原本を電子的に管理する一方、紙の処方箋では交付された用紙が原本となります。また、電子処方箋を利用する場合でも、紙の控えを受け取ることがあります。
この記事では、電子処方箋と紙の処方箋の違いを中心に、それぞれの仕組みや薬局での利用方法、事前に確認しておきたい事項を解説します。
電子処方箋と紙の処方箋の基本的な違い
電子処方箋と紙の処方箋の大きな違いは、処方箋の原本をどのような形式で管理するかという点です。
電子処方箋は電子データで管理する
電子処方箋は、医師や歯科医師が発行する処方箋を電子データとして登録し、管理する仕組みです。
電子処方箋管理サービスを通じて処方箋の情報を取り扱い、対応している薬局が必要な情報を取得して調剤を行います。
患者が紙の処方箋原本を持ち運ぶ必要がないことが特徴です。ただし、利用するには医療機関と薬局の双方が電子処方箋に対応している必要があります。
紙の処方箋は交付された用紙が原本になる
紙の処方箋は、医療機関から患者に交付される書面です。患者は原則として、その処方箋を薬局へ持参して調剤を受けます。
電子処方箋に対応している医療機関であっても、紙の処方箋を選択できます。
なお、電子処方箋対応の医療機関で発行された紙の処方箋には、引換番号が記載される場合があります。しかし、番号が記載されていても、処方箋の原本が紙であることに変わりはありません。
電子処方箋と紙の処方箋の比較表
主な違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 電子処方箋 | 紙の処方箋 |
|---|---|---|
| 原本の形式 | 電子データ | 紙の書面 |
| 情報の管理 | 電子処方箋管理サービス | 紙の原本を使用 |
| 患者への交付物 | 処方内容(控え)など | 処方箋の原本 |
| 薬局での受付 | マイナ保険証や引換番号などを使用 | 紙の処方箋を提出 |
| 対応薬局 | 電子処方箋対応薬局 | 処方箋を受け付ける薬局 |
このように、違いは主に処方箋の形式や手続きにあります。電子処方箋だからといって、薬の受け取り方がすべて自動化されるわけではありません。
電子処方箋と紙の処方箋では薬局での手続きも異なる
処方箋の種類によって、薬局で提示するものや受付方法が変わります。
電子処方箋を利用する場合
電子処方箋を選択した場合、薬局ではマイナ保険証または資格確認書などを使用して受付を行います。
マイナ保険証を利用する場合は、対応する受付機器で本人確認などを行い、調剤を受ける電子処方箋を選択します。
資格確認書で受付する場合は、電子処方箋の6桁の引換番号を薬局へ伝える必要があります。
引換番号は、医療機関から渡される処方内容(控え)やマイナポータルで確認できます。
紙の処方箋を利用する場合
紙の処方箋では、医療機関から受け取った原本を薬局に提出します。
薬局では処方箋の内容を確認し、薬剤師による調剤や必要な説明などが行われます。
紙の処方箋に引換番号や二次元コードが印刷されていても、それだけで電子処方箋になるわけではありません。
電子処方箋なのに紙の控えを渡される理由
電子処方箋を選択しても、医療機関から「処方内容(控え)」という書面を渡される場合があります。
この控えは患者が処方内容などを確認するためのものであり、紙の処方箋原本とは異なります。
厚生労働省によると、マイナポータルで処方内容を確認する方法が普及するまでの過渡的な対応として、控えが交付されています。
患者がマイナポータルで情報を確認でき、控えを必要としない場合には、交付されないこともあります。
そのため、紙を受け取ったかどうかだけで処方箋の種類を判断せず、書面に「処方箋」と「処方内容(控え)」のどちらが記載されているか確認することが大切です。
電子処方箋と紙の処方箋に共通する注意点
処方箋には使用期間がある
電子処方箋も紙の処方箋も、使用期間は原則として発行日を含めて4日間です。土曜日、日曜日、祝日も含まれます。
ただし、特別な事情により医師などが別途使用期間を指定する場合があります。
期限内に薬局を利用することが難しい事情がある場合は、受診時に医療機関へ相談してください。
電子処方箋は対応施設の確認が必要
電子処方箋は、すべての医療機関や薬局で利用できるわけではありません。
利用予定の医療機関と薬局が対応しているか、事前に確認しておく必要があります。
また、電子処方箋が発行されても、指定した薬局へ処方箋が自動的に送信されるわけではありません。患者自身が薬局で受付する手続きが必要です。
電子処方箋と紙の処方箋はどちらを選べる?
厚生労働省の案内では、電子処方箋に対応した医療機関でも、患者の希望により紙の処方箋を選択できます。
また、電子処方箋対応の医療機関で紙の処方箋を選んだ場合でも、処方情報は電子処方箋管理サービスに登録されます。
登録された情報は、対応する医療機関や薬局で、本人の同意など所定の条件に基づいて確認できる仕組みです。
選択する際には、利用予定の薬局の対応状況や、自分が利用できる受付方法などを確認するとよいでしょう。
まとめ
電子処方箋と紙の処方箋の主な違いは、処方箋原本の管理方法と薬局での受付手続きです。
電子処方箋は電子データを原本として管理し、紙の処方箋は交付された用紙を原本として使用します。
電子処方箋でも紙の控えが渡される場合がありますが、控え自体は処方箋の原本ではありません。
どちらも処方箋の使用期間に注意し、電子処方箋を希望する場合は、医療機関と薬局の対応状況を確認しましょう。
制度や利用手続きの詳細については、厚生労働省の電子処方せんに関する国民向けQ&Aでも確認できます。




















コメント